専業主婦の私が、月収ゼロから「心地よく稼げる」暮らしを見つけるまで

専業主婦になって、1年が経った頃のことです。

夫の仕事の関係で地方の街で暮らし、家にはゆっくり朝ごはんを食べる時間があって、洗濯物を干す午後があって、好きな本を読む夜があって。 若い頃に憧れていた「ゆっくりした暮らし」が、確かにそこにありました。

でも、ある日のスーパーで、ふと立ち止まったんです。 「これも、夫のお金で買うんだな」って、ただそれだけのことに、思いがけない違和感を感じて。

そこから、私の在宅ワークが始まりました。


10年経った今、私が手に入れたのは、「自分で稼ぐ」という感覚そのものでした。 バリバリのキャリア時代に戻りたいわけじゃない。 でも、自分のお金で好きなコーヒーが買えて、子どもにちょっと良いおやつを買ってあげられる。 心地よく稼げているこの暮らしが、私には合っているんだなって、毎日思っています。

この記事は、専業主婦だった私が、月収ゼロから「心地よく稼げる」暮らしに辿り着くまでの話です。 特別なスキルがあったわけでも、夢のような成功体験があったわけでもありません。 ただ、たくさん遠回りをして、ようやく見つけた一つの道です。

同じ気持ちのあなたに、何かが届いたら嬉しいです。


目次

キャリアを手放した日のこと

結婚するまでの私は、家にいる時間がほとんどない働き方をしていました。 キャリアにすべてを注いでいて、それで満足していたつもりでした。

結婚と同時に、その働き方は手放しました。 夫の仕事の関係で地方に住むことになり、自然と、会社に所属する働き方は私の生活には合わなくなっていったんです。

最初は、ただ幸せでした。 朝、夫を見送ってから、ゆっくりコーヒーを淹れる。 平日の昼間に映画館に行けば、ガラガラで、好きな席に座れる。 人混みに揉まれることも、誰かに気を遣う仕事もない。 こんな暮らしが私にもあるんだな、と思いました。

でも、しばらくして、気づいたんです。


夫のお金で買うものが、少しずつ重くなってきた

最初は気にもしていなかったことが、ある日突然、心に引っかかるようになりました。

スーパーで欲しいお菓子を選ぶときに、ふと値段を見て、迷う自分。 化粧水が切れる前に新しいのを買おうとして、レジで「これ、要らなかったかも」と思ってしまう自分。 夫が「好きなもの買っていいよ」と言ってくれるのに、なぜか気軽に買えない自分。

夫は何も言わないし、責められているわけでもない。 それでも、自分のお金で買っていない、という感覚が、少しずつ重くなっていったんです。

ある日、ATMの前に立って、自分の通帳を眺めていました。 独身時代に貯めた残高は、ゆっくりとですが、確実に減っていました。 「自分で稼いでいた頃の私は、どこへいったんだろう」 それが、私が在宅ワークを始めようと思った最初のきっかけでした。


「資格を取れば、道が開けるかも」と思っていた頃

何かを始めようと思った時、最初に頭に浮かんだのは「資格」でした。

私の世代は「資格があれば仕事に困らない」と教えられて育ったから、当然のように、まず資格を探し始めました。

そんな中で、婚活アドバイザーの資格に20万円を投資したことがあります。 通信講座で、課題を提出すれば資格が取れるという、いわゆる民間資格でした。 「これを取ったら、私も人に教えられるようになるかも」って、本気で思っていたんです。

でも、蓋を開けてみたら、講座と言いつつ、ただの添削で終わってしまって。 資格を取ったところで、それを使う場所も、お客さんを見つける方法もわかりませんでした。

その後も、いろんな資格や講座を眺めては「これかも」と心が動いて、でも結局、そのときの夢物語で終わってしまうことを繰り返していました。

「何かを学んで肩書きを得れば、自然と仕事が来る」 そう思い込んでいた頃の私は、たくさん遠回りをしたんだと思います。


0歳の娘をおぶって、ハンドメイドのレッスンを始めた話

転機が訪れたのは、娘が生まれた後でした。

0歳の娘をおぶりながら、地元の児童館や自宅で、小さなハンドメイドのレッスンを始めたんです。 ママ友4人くらいに教えて、月に3回ほど。 材料費もかかるので、利益と呼べるほどのものは残らない、そんな小さな仕事でした。

でも、続けたんです。

なぜかというと、ママ友会で「最近どう?」って話すだけの時間より、何かを「教える」時間の方が、私には嬉しかったから。

レッスン中、参加してくれたママたちが「これ家でやってみる」「子どもに作ってあげたい」と笑顔になる瞬間がありました。 その時に感じる小さな喜びは、夫のお金で買うコーヒーでは得られない種類のものでした。

「自分が必要とされている」 「自分の手で何かを生み出して、誰かに届けている」 それが、自分で稼ぐということなんだなって、その時に初めて実感しました。


手元に残らなくても続けた1年で気づいたこと

ハンドメイドのレッスンは、1年ほど続けました。

最終的には、ハンドメイドだけで生活を成り立たせる難しさを身をもって知ることになりました。 材料費、レッスン場所の確保、人を集める難しさ。 どれだけ手を動かしても、暮らしを支えるほどの収入にはなりませんでした。

でも、この1年で気づいたことがあります。

最初の一歩は、儲からなくてもいい。 「自分で動き出す」その経験そのものが、その後の私を変えていったんです。

資格を取ろうと考えていた頃の私は、「肩書きを得れば仕事が来る」と信じていました。 でも、本当は逆だったんです。 動き出した自分に、少しずつ仕事が引き寄せられてくる。

ハンドメイドで暮らしが成り立たなかったとしても、「動いてみたら何が起きるか」を知った経験が、その後の10年を支えてくれました。


在宅ワークと出会って、10年

ハンドメイドのレッスンを少しずつ手放した頃から、私は在宅ワークの世界に入っていきました。

最初は、本当に何もわからないところから。 パソコンも得意ではなかったし、特別なスキルもありません。 ただ「家でできて、自分のペースでできて、続けられるもの」を探していました。

少しずつ、ライティングの仕事を覚えて、WordPressを触ってみて、ブログを始めて。 そうやって、10年が経ちました。

今の私は、地方の家で、ノートパソコンを開いて、コーヒーとチョコレートをそばに置いて、ネットフリックスを流し見しながら作業しています。 それが、私の日常です。

人混みに揉まれることもない。 誰かに気を遣う仕事もない。 平日の昼間に映画館に行けば、相変わらずガラガラです。


「心地よく稼げる」暮らし

10年経った今、私が大切にしているのは、「いくら稼いでいるか」ではなく、「自分にとって心地よく稼げているか」です。

ATMから自分のお金を引き出す感覚。 誰にも気を遣わずにコーヒー1杯を買う感覚。 それを、もう一度手に入れたかった。

そして今、その日々を生きています。

「心地よく稼げる」って、人によって違うと思うんです。 誰かにとってはそれは月3万円かもしれないし、別の誰かにとってはもっと先かもしれない。 でも、自分のペースで、無理せず、自分の暮らしを保ちながら稼げている。 その感覚は、誰にとっても同じ嬉しさなんじゃないかなと思っています。


同じ気持ちのあなたへ

もしあなたが、

  • 専業主婦になって、夫のお金で買うものが少し重く感じている
  • フルタイムには戻りたくないけど、自分で稼ぐ実感は欲しい
  • ゆっくりした暮らしも、自分のお金も、両方欲しい
  • 何かを始めたいけど、何から始めればいいかわからない

そんな気持ちを抱えているなら、この「なぎ暮らし」が少しだけヒントになるかもしれません。

私が10年かけて辿り着いた道は、決して特別なものではありません。 0歳の娘をおぶって始めた、小さなレッスンが原点でした。 資格に20万円を投じて、何も変わらなかった経験もあります。 それでも、自分で動き続けてきたから、今の暮らしがあります。

正解は、人それぞれ違うと思います。 私の経験は、あくまで「一つの道」として読んでもらえたら嬉しいです。

あなたが、心地よく稼げる暮らしに、少しずつ近づけますように。

なぎ

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